気になる「なそう」と「なさそう」(その2)
きょうも「なそう」と「なさそう」の使い分けについて解説します。
前回、「『な』(『ない』の語幹)と『そう』(『そうだ』の語幹)の間に『さ』を入れるか入れないかは、『ない』が【1】助動詞なのか【2】形容詞(補助形容詞)なのかで判断します」と書きました。
文法上のルールは以下のとおりでしたよね。
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【1】「ない」が助動詞の場合…「さ」を入れない
【2】「ない」が形容詞(補助形容詞)の場合…「さ」を入れる
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そのためには「ない」が助動詞なのか形容詞(補助形容詞)なのか判別する必要があります。
一般的な判別法は次のとおりです。
■「ない」の判別法(その1)
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【1】助動詞:「ない」を「ぬ」に置き換えられる。
<例> 私は行かない。→ 私は行かぬ。
【2】形容詞:「存在の否定」の意味
<例> お金がない。
【3】補助形容詞:直前に「は」が入る
<例> 悲しくない。→ 悲しくはない。
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でも、これでは判別できないケースもあります。
例えば「人はいない」。
この「ない」は助動詞です。
でも、「ない」を「ぬ」に置き換え「人はいぬ」にすると変ですよね(笑)
そこで、「ない」が自立語(形容詞)なのか付属語(助動詞)なのか、文節に区切って判断します。
「ネ」を入れて読んでみて、自然に区切れるところが「文節」でしたよね。
「人はいない」に「ネ」を入れて読んでみると、「人は(ネ)/いない(ネ)」になります(ネ)。
この「ない」は、文節の最初に来ていないので付属語(助動詞)だと分かります。
確実なのは、以下の方法です。
■「ない」の判別法(その2)
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【1】文節に区切ったとき文節の最初に来る「ない」は形容詞(自立語)
<例> 「お金が/ない」
【2】文節に区切ったとき文節の最初に来ない「ない」は助動詞(付属語)
<例> 「私は/行かない」
【3】直前に「は」が入れば補助形容詞
悲しくない。→ 悲しくはない。
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おまけ
「せつない」や「さりげない」はそれだけで一つの形容詞。「ない」は形容詞の一部でしかありません。
【参考】
『的確につかむ文法の学習』(浜島書店)
『中学国語のツボ』http://www.geocities.jp/nm3032nakatsu/index.html
【気になる言葉】メニューページ(別窓で開きます)
つづく
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