気になる「被告人」と「被告」
【気になる言葉】シリーズ第10回。
市民にとってわかりにくい法律用語についても、国語辞典的な解説をしていこうと思っています。
きょうは「被告人」と「被告」の違いです。
平たくいうと、「被告人」は刑事事件で起訴された人、「被告」は民事事件・行政事件で訴えられた人のこと。
ただし、報道機関はどちらも「被告」と表現しています。
■被告人
【解説】
・刑事訴訟で、犯罪の嫌疑が十分であるとして公訴を提起された者(デジタル大辞泉)
<参考>(デジタル大辞泉)
・公訴…刑事事件について、検察官が裁判所に起訴状を提出して裁判を求めること
・起訴…刑事訴訟で、検察官が裁判所に公訴を提起すること。正式な裁判を求める「公判請求」と書面審理による簡易な手続きを求める「略式命令請求(略式起訴)」がある。民事訴訟法では、訴えの提起をいう
■被告
【解説】
・民事訴訟・行政事件訴訟において、訴えられたほうの当事者の第一審における呼び名。原告に対する相手方
[補説]第二審では控訴した側を「控訴人」、控訴された側を「被控訴人」という。第三審では上告した側を「上告人」、上告された側を「被上告人」という(デジタル大辞泉)
<参照>気になる「被疑者」と「容疑者」(別窓で開きます)
おまけ
法律用語をわかりやすく国語辞典的に解説した本といえば、やはり有斐閣の「法律用語辞典」<第3版>です。
ただし、値段が高い(税込み6,510円)こと、紛らわしい法律用語の違いがすぐにはわからないことが難点。
というわけで、紛らわしい法律用語の違いについては、【気になる言葉】シリーズ<法律用語編>で解説しますね。
【気になる言葉】メニューページ(別窓で開きます)
つづく
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