気になる「みぞれ交じり」と「排気ガス」
きのうから書き始めた「気になる言葉」シリーズ。
なぜGが、急に「気になる言葉」をブログで書き始めようと思ったのか。
それは、世の中に出ている日本語本(特に雑誌)に、その言葉のダメな理由を明確に書いたものが少ないと気づいたからです。
きょうも、気になる重複表現を二つ取り上げます。
■みぞれ交じり(の雨・雪)
正解は「みぞれ」。「交じり(の雨・雪)」はつけません。
【解説】
「みぞれ(霙)」の意味
・雪が空中でとけかかって、雨とまじって降るもの。ひさめ(デジタル大辞泉)
・雪がとけかけて雨まじりに降るもの。氷雨(ひさめ)(広辞苑)
解説のとおり「みぞれ」とは、雪と雨の交ざった状態のこと。当然「みぞれ交じり」はありえないので、誤用です。
<参考>
●あられ
積乱雲から落下する氷の粒が直径5mm未満のもの
●ひょう
積乱雲から落下する氷の粒が直径5mm以上のもの
出典:知恵蔵2011
■排気ガス
「排ガス(排出ガス)」を使い、なるべく「排気ガス」の使用は避けましょう。
【解説】
「排気ガス」の意味
・→排ガス:主にガソリンエンジン・ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される気体。二酸化炭素・水蒸気のほかに、有害な一酸化炭素などを含むため、大気汚染の原因となる(デジタル大辞泉)
・→排気:熱機関で、仕事をなし終えた不要の蒸気または燃焼ガス<参考>排ガス:排気ガスの略(広辞苑)
「記者ハンドブック新聞用字用語集」<第12版・共同通信社>は、「排気ガス」を「排ガス、排出ガス」と言い換えています。
しかし、「NHKことばのハンドブック」<第2版>は、「『排気ガス』は重複であるという考え方の人もいるが,一般的には『排ガス』『排気ガス』でよい」と言い切っています。
役所でパブリシティー(ニュースリリース)担当だったGとしては、「記者ハンドブック新聞用字用語集」に書いてあるように、「排気ガス」は「排ガス、排出ガス」に言い換えるべきだと言いたいところです。
でも、広辞苑やNHKことばのハンドブックを見る限り、「排気ガス」は絶対間違いだとは言えません。
というわけで、結論は上述のようにあいまいなものになってしまいました(笑)
おまけ
法学部出身のG、国語が専門だった教師の父に、現役のときは文学部の日本文学(国文学)科しか受験させてもらえませんでした。
高校時代のGは、国語の成績がとても良かったです(マイナーな全国模試とはいえ1位でしたので。「じゃ、なぜ1浪して法学部に入ったの」と聞かないでください^^;)。
5年間在籍した役所の広報課では、すべての広報媒体の担当係長を経験。一匹おおかみのパブリシティー担当として、主要日刊紙への年間掲載率8割超という最高記録を打ちたてました。その秘訣(ひけつ)は、「誰も教えてくれなかった公務員の文章・メール術」(小田順子編著・学陽書房)の30、131ページに書かれています。
ですから、「行政書士・社会保険労務士風情が、何を偉そうに『言葉』について語ってやがる」と言わないでください。お願いですm(_ _)m
【気になる言葉】メニューページ(別窓で開きます)
つづく
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「役所屋本舗」は、司法書士、税理士、行政書士・社会保険労務士と広報コンサルタントが「日本一役に立つ事務所」を目指します。
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