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2012年3月18日 (日)

気になる「注目を集める」と「被害をこうむる」

 「気になる言葉」について、これからときどき書いていこうと思っています。

 きょうは、気になる重複表現の「注目を集める」と「被害をこうむる」です。

■注目を集める

 正解は「注目を浴びる」や「注目の的(まと)になる」、「注目される」です。

【解説】
「注目」の意味
・注意して見つめること。関心をもって見守ること(デジタル大辞泉)
・目をそそぐこと。みつめること。注意を向けること。関心を寄せること(広辞苑)

 「目を注(そそ)ぐこと」が「注目」です。目がそそがれている、つまり視線が集中しているのに、さらに集めてどうする、ということです。

■被害をこうむる

 「被害にあう」や「被害がある」を使い、なるべく「被害をこうむる」は使わないようにしましょう。 

【解説】
「被害」の意味
・損害や危害を受けること。また、受けた損害や危害(デジタル大辞泉)
・損害をこうむること。危害を受けること。また、受けた損害。例「被害をこうむる」(広辞苑)

 「損害を被(こうむ)ること」が「被害」です。さらにこうむってどうする、ということです。

 ただし絶対に間違いだとも言い切れません。
<理由>
1.広辞苑の例文に「被害をこうむる」とあること
2.NHKことばのハンドブック第2版に「現在の語感としては,『被害=損害(危害)』という意識で受け取られている場面があるので,必ずしもおかしい表現とは言えない」※とあること
※続いて「ただし,画面表記などで文字を意識すると多少抵抗を感じる向きもあるようなので,注意する。場合によっては,『被害がある』『損害がある』と言い換えるほうが適切である」と書かれていることに注意が必要です。


おまけ

 作家・本郷陽二さんは「訓練を受けたはずのアナウンサーにさえも、重複表現を使う人がいる」と話しています。
 これは「被害をこうむる」の【解説】に書いたように、「必ずしもおかしい表現とは言えない」(NHKことばのハンドブック第2版)とされており、「話し言葉」として「被害をこうむる」が使われている点を指してのことだと思います。

 1952(昭和27)年4月4日付で、内閣官房長官が各省庁次官にあてた「公用文改善の趣旨徹底について(依命通知)」で周知徹底するよう命じた「公用文作成の要領」(国語審議会決定)。
 ここに「句読点は,横書きでは『,』および『。』を用いる」とあります。「NHKことばのハンドブック」がこれに準拠し、読点が「,」になっているのには正直驚きました。
 「総務省(旧自治庁)の『左横書き文書の作成要領』(59年)では、<句読点は、「。」(まる)および「、」(てん)を用いる。「,」(コンマ)は用いない>」(「自治体のためのウェブサイト改善術─広報担当に求められるテクニックとマインド(時事通信社/小田順子著))と定められています。
 このため、地方自治体の文書(公文書)では、読点はすべて「、」が使われているはずです。国の文書で読点に「,」が使われているものを、約30年間の地方公務員時代に見たことはありませんけどね。 

【気になる言葉】メニューページ(別窓で開きます)

 つづく

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