初めてこれほど長い政令を見ました
その政令とは…
「平成23年度における平成22年度等における子ども手当の支給に関する法律第20条第1項の規定により適用する児童手当法並びに平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法第20条第1項、第3項及び第5項の規定により適用する児童手当法に基づき一般事業主から徴収する拠出金に係る拠出金率を定める政令」
のことです。
この政令の文字数は、落語「寿限無(じゅげむ)」に出てくる子どもの名前(116文字)よりはるかに多い150文字。Twitterでつぶやくこともできない長さです。
ことし9月30日に公布(10月1日に施行)されたものですが、なんのためのものかお分かりですか?
実は、ことし10月からの子ども手当※の財源として、一般事業主が拠出する児童手当拠出金の拠出率を、9月までと同じ0.13%にするためのものなんです。
※10月からの子ども手当支給月額
1.2歳まで…1万5000円
2.3歳から小学生まで…1万円(第3子以降は1万5000円)
3.中学生…1万円
<注意事項>
中学生以下の子どもがいる方は、これまで子ども手当を受け取っていた方もすべて、市区町村に申請する必要があります。来年(1912(平成24)年)3月までに申請すれば、ことし(1911(平成23)年)10月分からの子ども手当が受け取れます。
ただし、10月1日以降他の市区町村に引っ越しをされた方やお子さんが生まれた方は、その日の翌日から15日以内に申請をしなければなりません。さかのぼって受け取ることができないので、ご注意ください。
おまけ
きょう(11月1日)、東京都社会保険労務士会からのメールでこの政令を知りました。
この政令がGに届くまでの文書などの流れは、以下のとおりです。
1.9月30日:厚労省雇用均等・児童家庭局長が年金局長あてに通知①
【表題】「(150文字の政令)について(通知)」
【本文】本日、政令第309号として別添のとおり公布され、平成23年度以降における標記拠出金は、1,000分の1.3とされたので通知いたします。
【別添】9月30日付官報②
2.10月13日:厚労省年金局事業管理課長が日本年金機構事業管理部門担当理事あてに通知③
【表題】「(150文字の政令)について(通知)」
【本文】標記について、別添のとおり、雇用均等・児童家庭局より平成23年10月以降における表記の拠出金が従前どおり1,000分の1.3とされた旨の通知があったので、遺漏のないよう取り扱われたい。
【別添】①②
3.10月13日:厚労省年金局事業管理課長が全国社会保険労務士連合会会長あてに連絡(役所用語で「事務連絡」といいます)④
【表題】「(150文字の政令)について(通知)」
【本文】標記について、別紙のとおり、日本年金機構事業管理部門担当理事あて通知を発出しましたのでお知らせいたします。
【別紙】①②③
4.10月26日:全国社会保険労務士連合会会長が都道府県社会保険労務士会会長あて周知依頼⑤
【表題】「(150文字の政令)について」
【本文】
平素は、当連合会の事業運営にご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、表題の件に関しまして、厚労省年金局事業管理課長より別紙のとおり情報提供がございました。
つきましては、貴会におかれましては、業務ご多忙の折大変恐縮ではございますが、本件につき会員の皆様への周知を賜りますようお願い申し上げます。
なお、本件は連合会ホームページ「会員専用ページ」に掲載しておりますことを申し添えます。
【別紙】①②③④
5.11月1日:東京都社会保険労務士会からGあてにメール【業務情報】が届く
一連の通知の中で、政令の趣旨について触れていたのは、2.の厚労省年金局事業管理課長が日本年金機構事業管理部門担当理事あてに出したものだけでした。
国から市区町村への通知の流れも、もっと時間的に短いとはいえ同じようなものです。
例えば、
1.金曜日の午後、国(本省)から国の出先機関(例:関東●●局)へ通知がファクスで送られる
2.その日(金曜日)の夜、国の出先機関から都道府県へその通知に表紙(おもてがみ)をつけてファクスが送られる
3.その日(金曜日)の深夜 都道府県から市区町村へさらに表紙をつけてファクスが送られる
4.その日(金曜日)の深夜から翌日(土曜日)の未明にかけて、職員不在の市区町村に通知が届く。市区町村職員がそれ見るのは当然月曜日の朝になる
といったイメージです。
役所の世界では、こうしたことは日常茶飯事です。
市区町村職員にくらべ、たくさんの都道府県職員が夜遅くまで働いています。国(特に本省)では、かなりの数の職員が深夜に働いていたりします。だからできる芸当なのですが、長時間労働で体調を崩したりしないかと心配になります。ご自愛ください。
つづく
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