契約書ナシで800億円の契約を取る方法!?
これまで、社会保険庁の年金記録問題にうんざりしているG、ほとんど記事を書きませんでした。
あまりにお粗末かつ杜撰で、書く気にもならなかったからです。
でも、「社会保険庁が公的年金記録システムについて契約書を交わさずに、見積書だけで年800億円近くの使用料をN社に支払っていた」との新聞記事を読み、元一地方公務員として、ちょっとコメントを書きたくなりました。
あくまで報道記事を読んだだけでの感想ですが…
■契約書なしで使用料(?)が払える?
都道府県・市区町村が行う契約については、地方自治法や同法施行令、各自治体の条例・規則(例えば「契約事務規則」)にその方法などが細かく定められています。
800億円もの支払いを、支払い根拠となる契約書なしに支出することは、地方自治体ではできません。
では、国はできるのでしょうか?...そんなはずはありませんよね。
■会計検査院は何をしていたの?
地方公共団体では、財務の監査を行うため監査委員が置かれています。すべての部署が毎年監査事務局職員による監査を受け、見積書や契約書、請求書、領収書などの書類のチェックを受けます。
国でこの機能を果たすために設けられたのが会計検査院です。
契約書もなしに800億円もの金額が支払われていたことを、会計検査院が見逃してしまったのでしょうか?
会計検査院は、国税庁のマルサ同様、少数精鋭の集まりだそうです。いくら人員が十分ではないとはいえ、そんなはずはないと思います。
■契約書の要らない契約?
新聞には「使用料」と書かれていましたが、使用料は「歳入科目」で、歳出科目としては「役務費」のはず。その中の「通信・運搬費」のことを指しているのではないかと思います。
というのは、「1980年にN社と『データ通信サービス契約』を結んだ」とあるので、本来「委託料」として予算計上すべき「公的年金記録管理システム」の開発・運用経費を、こっそり
「通信・運搬費」に潜り込ませちゃったんではないかと...^^;
「通信・運搬費」であれば、各部署の電話代やインターネットの回線使用料と一緒に、契約書ナシで支払うこともできそうですから...。
まあ、これは、元一地方公務員の想像ですが!
おまけ
国と都と区の予算担当者の大きな違い
・国:億単位(通称「オクタン」)で予算を作る
・都:百万円単位(通称「ヒャクマンタン」)で予算を作る
・区:千円単位(通称「センタン」)で予算を作る…GのいたN区の予算担当者は円単位(通称「エンタン」)で査定していました^^;
つづく
■届け出・手続き・申請は「役所屋本舗 」へ■
「役所屋本舗」は、司法書士と税理士の「日本一頼りになる事務所」を目指す若い2人を味方につけ、行政書士・社会保険労務士と広報コンサルタントが「日本一役に立つ事務所」を目指します。
人気ブログランキング「法律・法学」のジャンルに参加しています。
↓応援クリックをしていただくと、ポイントが加算され順位がちょっと上がります(順位はリンク先で確認できます)。
« 改正パート労働法のポイント | トップページ | G、美容院に行ったよ♪ »
「ニュース」カテゴリの記事
- 「なぜ?」って聞かれたら、「…から」と答える。これ常識!(2015.03.23)
- 三菱東京UFJ銀行をかたる偽メールに注意!(2014.04.12)
- 気になる「特別職」と「一般職」(2013.09.06)
- 気になる「子ども」と「子供」(2013.09.03)
- 大津市教委記者会見の問題点(2012.07.17)
「学問・資格」カテゴリの記事
- 個人情報保護士更新テストに合格♪(2013.01.04)
- 気になる「又は」と「若しくは」(2012.07.15)
- 気になる「及び」と「並びに」(2012.07.13)
- 気になる「受験」と「受検」(2012.04.17)
- 「knife」は「クナイフ」!?(2012.04.02)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 【朝令暮改】(2014.11.26)
- 中山マコト先生による小田順子論!?(2013.09.23)
- 気になる「エチケット」と「ラベル」(2013.08.08)
- 意外と知らない本格焼酎の意味(2013.03.28)
- 米国企業の採用試験で門前払いされない方法(2012.10.16)
「独立・開業」カテゴリの記事
- 中山マコト先生による小田順子論!?(2013.09.23)
- 法人口座開設に必要な書類は必ず不足する!?(2012.08.05)
- エイプリルフールは未来を先取りする日(2012.04.01)
- ことのは本舗のCEOに小田順子が就任(2012.04.01)
- 役員が傷病手当金を受け取るには(2012.02.24)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
社保庁の杜撰さには呆れ果ててうんざりです。
通信・運搬費に摩り替えて。
たぶん、そんなところでしょうね。
決算処理にも問題ありで、単年度決算だから
通年度意識が欠落してる。
ここが民間とお役所の大きな違いですね。
元お役人のドンキーさんには悪いけど。
公務員の為の公務員の年金制度が基本ラインで
企業にはおすそわけ感覚で、自営業者や失業者の国民年金は、ぶんどった分だけ儲けだ!の意識だったと思う。
20年前でも
年金を支払っても年金をもらえる保証はありますか?と行政に問うても、それはわかりません。の
回答が平然と返ってましたもんネ。
投稿: コスモ | 2007年6月30日 (土) 09時04分